こんにちは。
ゆうあいクリニック小児科の飯島です。
前回は熱についてお話しさせていただきました。
今回は、診察でもよくある質問のひとつである
「解熱剤は使った方がいいの?使わない方がいいの?」
といった解熱剤の使用方法についてお話しします。
解熱剤は風邪をなおす薬ではなく、熱を下げて熱の辛さを一時的に緩和する薬です。
前回のブログで「発熱すること自体はお子さんの身体を病原体から守るのに必要なことであり、怖いことではない。」ということをお話ししました。
この説明に対して「身体が病原体と闘っているのであれば、解熱剤はしようしないほうがよいのでしょうか?」と、お母さんお父さんが疑問に思うのは当然だと思います。
そのような質問があったときは「お子さんの全身状態をみて判断しましょう。38.5℃以上の熱でお子さんがしんどそうにしているとき、水分や睡眠が十分とれないときは使用しましょう。」と私は指導しています。
いくら熱を出すことで身体が病原体と闘っていてもお子さん自身が熱でダメージをうけてしまえば回復は遅れます(脱水になってしまう可能性もあります…)。熱でお子さんがしんどそうなときは解熱剤の力を借りましょう。
そして、ここでひとつ注意点です。
子どもで安全に使用できる解熱剤はアセトアミノフェンという成分が入ったものです。私たち小児科医は通常解熱剤としてこのアセトアミノフェンを処方します。決して大人で使用するロキソニンやアスピリンなどの解熱剤を使用しないでください。お母さんの常備薬を割って内服させたりはしないでくださいね。
前回と今回のブログでお子さんのお熱のメカニズムや、むやみに怖がらなくてもよいこと、どんなときに解熱剤を使用すればよいか、少し理解していただけたでしょうか?
もちろん、比較的元気であったとしても熱が続くときや、顔色が悪くぼーっとしているなどお子さんの全身状態が悪いとき、生後3ヶ月未満のお子さんの発熱のときは必ず早めに受診をしてくださいね。
次回はあかちゃんの鼻水についてお話します。