神秘の国、インド。
国民のほとんどの方がヒンドゥー教であり、
またイスラム教、キリスト教、シク教、仏教、ジャイナ教など、
多くの信仰が生活に根付いた神秘の国です。
その昔インドのヒンドゥー社会では、
バラモン、クシャトリア、ヴァイシャ、シュードラという4つの身分と、
その下の不可触民で構成され、
特に不可触民は社会生活のすべての面で差別されていましたが、
憲法で不可触民制は廃止されました。
しかし現在でも差別は社会に根強く残っているそうです。
そういった背景もあり、貧富の差が激しく、
医療を受けられない方が大勢いる国でもあります。
そんな中、インドには
「LIFELINE EXPRESS(ライフライン・エクスプレス)」
という病院電車があります。

電車の中は検査機器や、手術設備などが整っています。
様々な診療科の医師が働いており、
この病院電車で受ける医療行為はすべて無料です。
そのため、多くの国民がこの電車が来るのを待ち望んでいます。
治療を受けたい方が大勢集まるので、必ず設置した受付で重症度などを確認し、
実際に治療・手術の対象となる患者さんをわけていきます。
電車が滞在する4週間の間、1日に数十件以上の手術が行われています。
先日テレビ番組でこのライフライン・エクスプレスの医師が話すのを見ました。
医師は笑顔でこう言っていました。
「神様は、人々の命を助けるために、私にこのメスを与えてくださったのです」
(しばらく「海外の医療」シリーズをお届けしたいなぁと考えています!)